胡蝶蘭は正しく管理すれば2回咲き(=「二度咲き」)が可能な植物です。さらに環境が合えば 3回以上咲くことも珍しくありません。今回は「なぜ2回咲くのか」「どうすれば咲かせられるのか」「注意点」を分かりやすくご紹介します。
胡蝶蘭は2回咲く?
胡蝶蘭は多年草で、1年で花が終わっても株は生き続けています。
花が終わった後に適切な管理を行うことで 翌年、または同じ年に再び花をつける力があります。
胡蝶蘭が二度咲きする仕組み
胡蝶蘭には下記2つの方法で再び花が咲きます。
① 花茎を残して咲かせる「二度咲き」
1回目の花が終わった後、花茎の途中(節)から脇芽が伸び、そこに再び花が咲きます。
※比較的短期間で咲きやすい(早いと3〜4か月ほど)。花茎は根元から切らず、上から2~3節目の上でカットするのがポイント。

② 翌年に株を充実させて咲かせる「翌年咲き」
花茎を元から切り、株を休ませて翌シーズンにまた咲かせる方法。
※株が大きく育ち より大輪で安定した花が見込めます。

二度咲きを成功させるコツ
・明るい場所(レース越しの明るさ)
・18〜25℃の安定した温度
・水やりは乾いてから(過湿はNG)
・花茎の切り戻しは2〜3節目で
・ラッピングは外して通気性を確保
- 一度咲いた直後の株は疲れているため、輪数が少なく花の大きさも小さくなる
- 無理に連続開花させると株が弱る
- 初心者は「無理に二度咲かせず、翌年に向けて株を休ませる」ほうが安定
- 冬の低温(10℃以下)は花芽がつきにくい

「花が終わった後の切り戻し方法」と「二番花が出やすい株の特徴」
胡蝶蘭は、花が終わった後の管理次第で「二番花(2回目の開花)」を咲かせることができます。ポイントは“どこで切るか”と“時期”になります。
- 花がすべて終わる前に花茎を確認する
花がまだ2,3輪着いた状態が切り戻しのタイミングです。 - 節(ふし)を探す
花茎には「節」があり、そこから新しい花芽が出ることがあります。 - 上から2〜3節目の少し上でカット
一般的には、上から2〜3節目の上で斜めに切ると、そこから二番花が出やすくなります。 - 切り口には殺菌剤を軽く塗ると安心
園芸用殺菌剤を少量つけておくと腐敗を防げます。 - その後は、“環境の維持”が最重要
・明るい室内(レース越しの光)
・温度 日中25〜28℃ 夜間15~20℃
・風通し良く
・水やりは控えめ(根が白く乾いてから)
※ただし、体力を消耗させやすいので、株を大きく育てたい場合は花茎を根元から切るのが正解です。

全ての株が二番花を咲かせるわけではありません。「咲きやすい株」には明確な特徴があります。
- 根が太く、白〜緑で張りがある
健康な根が多い株は再び花をつける余力があります。 - 葉が4枚以上あり、厚みがある株
特に“肉厚で濃い緑色の葉”は養分を蓄えており、非常に有利。 - 花が咲いている期間も葉がしっかりしていた株
花期に葉が元気な株は体力が残っています。 - 花茎が太くしっかりしていた株
株のエネルギー量の指標になります。 - 環境が整っている置き場所
・温度が安定(18〜25℃)
・レースカーテン越しの光が長時間あたる
・風通しの良さ
・過湿・乾燥のしすぎがない

まとめ
胡蝶蘭は「1回で終わりの花」ではなく、環境さえ整えれば毎年咲き、長く楽しめる植物です。適切に管理すれば「二番花(2回目の開花)」を実際に楽しむことができます。まだ少し花が残っている状態で花茎を節の少し上で切り戻すと、新しい花芽が出やすくなります。特に上から2〜3節目の節の上でカットする方法が一般的です。また、二番花が出やすい株には共通点があります。葉が大きく厚みがあり、濃い緑色でハリがある株は光合成力が強く、再び花をつける力を備えています。根が白〜緑で太く、健康な状態であることも重要です。切り戻し後は「明るい日陰」と「適度な温度管理(18〜25℃)」を保ち、水を与えすぎないことが成功のポイントです。適切に扱えば、贈答後も長く楽しめる植物です。
胡蝶蘭専門店らんや-黒臼洋蘭園-より
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