御祝に定番の胡蝶蘭ですが、定期的に胡蝶蘭は縁起が悪いのではないかという声を耳にします。
胡蝶蘭業界で40年以上たくさんの方の経験や話を聞いてきた中で、実際にそのようなイメージがあるのは事実です。
ですが、今や胡蝶蘭は贈答品の代表格です。
皆さんが安心して大切な方へ胡蝶蘭をお届けできるよう、
今回はなぜそんなイメージが一部にあるのかをまとめてみました。
お見舞いにはNG
胡蝶蘭といえば鉢植えをイメージする方が多いのではないでしょうか。
根があることから、「根付く」=「寝つく」を連想させ、お見舞いにはNGとされています。
1番の縁起が悪いと言われてるイメージがこれです。
病院や施設などのお見舞いとして鉢植えを贈ることは、胡蝶蘭だけではなくどんな植物でも避けた方がいいでしょう。
このような場合には鉢植えではなく、胡蝶蘭のアレンジメントや花束を贈ることをおすすめしています。
しかし、この「根付く」という理由で胡蝶蘭が御祝で選ばれている理由のひとつでもあるんです。
就任祝いや当選祝いでは「その職に根付く」
開店祝いや開院祝いでは「その土地に根付く」といった理由で縁起の良いものとして贈られています。
TPOによって種類を変えれば、胡蝶蘭はどんなとき贈ることができ
決して「胡蝶蘭は縁起が悪い」ということでは全くありません。
お悔やみのお花は白
胡蝶蘭といえばやはり白ですが、この白という色がお悔やみや葬儀のイメージとして定着していることから
白の胡蝶蘭は縁起が悪いのではないか、お祝い事には適していないのではないかと考えてしまう方も多いそうです。
実際に当園でもお供えやお悔やみ用として胡蝶蘭を贈られる方はとても多いです。
しかし近年では、葬儀で使われる花も大きく変わりつつあり
生前好きだった花や色を使用し、とても華やかにされる方も多いそうです。
また白には「清らか」「純粋」「無垢」などを象徴する色でもあります。
白といえば、結婚式や新年の祝い事など、新たな門出を祝う場では欠かせない色ですよね。
胡蝶蘭はお歳暮にもとても人気で、毎年お歳暮で贈られてくる胡蝶蘭をお正月飾りにそのまま飾っているという方もいらっしゃいます。
結果として、胡蝶蘭がお悔やみに使用されていることは事実だとしても、
「縁起が悪い」というわけではありません。
「白」という色がどんなシーンにも使われていることからこのようなイメージがついてしまったのかもしれませんが、裏を返せば、どんなシーンにも胡蝶蘭は贈ることが出来るということになりますね。
大事なのは、どんなおもいを込めて胡蝶蘭を贈るかということだと思います。
胡蝶蘭はどんなシーンにも贈ることが出来る素晴らしい植物
ここまで胡蝶蘭がなぜ縁起が悪いといわれているのかについてお話してきましたが、
生産者としては、胡蝶蘭自体が縁起の悪いものだということは全くないと思います。
胡蝶蘭ではなく、色やイメージから連想される様々な考えから生まれたものだと考えています。
それから、胡蝶蘭もいまや数えきれないほどの種類があります。
色はもちろん、形や特徴も大きく変わってきている中で、
自分が相手に贈りたいと思う胡蝶蘭に出会えることが一番なのではないかと思います。
お祝いでもお供えでも、相手を大切におもう気持ちは一緒なはずです。
胡蝶蘭はどんなシーンにも贈ることが出来る素晴らしい植物であるということを
生産者としてこれからもたくさんの方にお伝えしていきたいと思います。