花持ちがいいとよく耳にする胡蝶蘭。あなたは胡蝶蘭がどれくらいの寿命があるかご存知でしょうか。胡蝶蘭は、きちんとした環境下で病気などで枯れてしまうことがなければ、株自体は何年も生き続け、花を咲かせてくれます。
そこで今回は、なぜ枯れない花と言われているのかについて、また、胡蝶蘭の寿命や枯らさずに長く楽しむポイントについて紹介したいと思います。
胡蝶蘭が「枯れない」と言われる理由
胡蝶蘭の株の寿命はなんと50年程と言われています。適切な環境と育て方であれば、株は枯れることなく毎年花を咲かせてくれます。しかし、株を枯らさずに元気でいようとするため、胡蝶蘭自身も温度や湿度、環境の変化に対応して葉や花は自ら枯らすのです。
「枯れない」と聞くと、葉や花は枯れていくのでは?と思われる方もいるでしょう。確かに胡蝶蘭の葉や花は時期がくると枯れてしまいます。しかし、それは胡蝶蘭が「株」を枯らさないようにバランスをとっているからなのです。
花の寿命
胡蝶蘭の花は、おおよそ1ヶ月以上楽しむことができます。また、花によっては最後の花が散るまで3ヶ月ほど楽しめる場合もあります
葉の寿命
胡蝶蘭の「葉」も「株」同様に「寿命がない」と言われることがあります。
その理由としては、胡蝶蘭は花屋に並ぶまでに4年程かかりますが、その期間で一番最初に出た葉は枯れません。葉が黄色くなり枯れてしまうのは農園のハウスを出て、環境が変わってからになるからです。
株の寿命
胡蝶蘭の「株(根)」に関しては「寿命がない」と言われています。
水の与え過ぎにより根腐れや病気などで株が枯れてしまう場合もありますが、胡蝶蘭にとって適切な環境管理ができれば株は枯れません。数年経過しても同じ根が緑色のままの状態なのです。そのような環境下であれば50年以上も生き続けることがあります。
胡蝶蘭の生育特徴
「枯れない」と聞くと、葉や花が枯れていくと思われる方もいるでしょう。確かに胡蝶蘭の葉や花は時期がくると枯れてしまいます。しかし、それは胡蝶蘭が「株」を枯らさないようにバランスをとっているからなのです。
胡蝶蘭は長く生きるために、葉や根を伸ばして必要な「水・光・栄養」をとったり、逆に葉や根を枯らせて生き延びようとします。そのため、胡蝶蘭は自分の株を最優先に考え、生きやすい環境であれば成長を続けます。
しかし根腐れを起こしてしまったり、病気になってしまうとすると、葉や花よりも株を維持させるようにバランスを取ります。そうすると次第に葉は黄色くなったり、花を落とします。新しい根・葉・花のうち何が必要なのかを考えながら生きているのです。
気温や湿度変化の多い日本では、実際に家で育てる胡蝶蘭の寿命は15〜20年くらいの寿命になっていることが多いかもしれません。上手に育てられれば、株が元気でいるうちは寿命は無限です。その点で、今年も花が咲いてくれたという喜びと育て甲斐がある植物と言えるでしょう。
胡蝶蘭の水やり
胡蝶蘭を長く楽しむための重要なポイントは、温度・湿度・日当たりの3点。また、よく起こる根腐れにならない水やりの頻度もご紹介します。
温度
温度の理想は20℃〜25℃程度。人も過ごしやすい室温が良いでしょう。また、暑さにはある程度耐えますが、最低でも10℃以上とし、冬場の寒さで枯らすことがないよう注意しましょう。
湿度
湿度の理想は70%程度。蘭園のハウスの湿度は70〜80%に設定されています。根腐れを起こさないように、風通しがあることが理想です。湿度50%以下の場所では、こまめに霧水で補うと良いでしょう。
日当たり
やや日差しのある、明るい室内が理想の置き場所です。直射日光に当てると葉焼けを起こし、茶色になることがあります。
水やり
- 水やりの間隔は週に1〜2回程度。前回の水やりから2〜4日程度経過したら、②を確認しましょう。
- 鉢の中の水ゴケやウッドチップが乾いてきていることを確認できたら、水やりのタイミングです。
- 水やり後、鉢皿に水がたまったら必ず捨てるようにしましょう。胡蝶蘭の根は通気性も大事な要素です。夏場は特に、カビや根腐れの原因となるので注意してください。