胡蝶蘭を自宅で育てていると、胡蝶蘭の美しい花に癒され、胡蝶蘭があるだけでお部屋の雰囲気が華やかになりますよね。そんな胡蝶蘭の様子が何かおかしい…これって枯れてしまったのかな!?と思ったことはありませんか?しかし、捨てるのはちょっと待ってください。この記事では、胡蝶蘭の花が終わったときの対処法をご紹介します。
胡蝶蘭の葉っぱが黄色い!これって枯れてる?
黒臼洋蘭園から持ち帰らせていただいた胡蝶蘭。わが家に来てからちょうど1ヶ月くらい経った頃、異変が起き始めました。胡蝶蘭の葉っぱが黄色くなり、どんどん落ちてしまったのです。
そして、葉っぱが黄色くなってから、綺麗に咲いていた胡蝶蘭の花も一気に落ちてしまいました。
「もしかして枯らせてしまったのかな?」
そう思った私は、後日黒臼洋蘭園の黒臼常務に葉っぱが落ちた胡蝶蘭について相談をさせていただきました。そこで返ってきた答えは、意外な答えだったのです。
胡蝶蘭の花が終わったら
葉っぱが黄色くなって落ち、花も落ちた胡蝶蘭を黒臼常務に見せると
「それは花の咲き終わりです。大丈夫です、枯れていません。」
との答えが!
実は、葉っぱも花も落ちてしまった胡蝶蘭を見て、わが家の家族はみんな「胡蝶蘭枯れちゃったね。」と言っていたんです。それくらい、素人は枯れたと思ってしまう状況でした。
もし今、この記事を読んでいる方で、花が落ちて胡蝶蘭が枯れてしまったと思っている方、その胡蝶蘭は、花が終わっただけで枯れていない可能性が高いです。そのため、捨てないでください。
ちなみに、黒臼洋蘭園さんから持ち帰った胡蝶蘭の中で、もう一つ花が落ちてしまった胡蝶蘭があります。
これも、花が終わっただけで、枯れていません。このような状態になった胡蝶蘭も、捨てないようにしましょう。しかし、花が終わった胡蝶蘭を捨てないままでいて、どうするの?と思う方もいますよね。胡蝶蘭を捨てない理由は、次の章でお話します。
まだ捨てちゃダメ!花が咲き終わったあとの対処法
枯れたと思っていたら、花が終わっただけで枯れていなかった胡蝶蘭。花が終わったら、どのようなことをすればいいか、黒臼常務に伺いました。
胡蝶蘭の花が終わったらするべきことは、2つに分けられます。具体的に見ていきましょう。
対処法①夏は株を大きくしよう
胡蝶蘭の花が終わったのが夏だった場合は、株を大きくしましょう。胡蝶蘭の株は、25~30℃の気温で大きくなります。そのため、夏に胡蝶蘭の花が終わったら、株を大きくするほうがいいのです。
涼しくなったら二度咲きを目指そう
胡蝶蘭の花が咲くのは、日中25℃、夜間18℃と少し涼しめ。そのため、涼しくなったら胡蝶蘭の二度咲きを目指すがおすすめです。
「胡蝶蘭の二度咲き」と、初めて聞く方もいるでしょう。実は胡蝶蘭は、株が元気に生きていて、適切なお手入れをしてあげれば、何度も美しい花を咲かせられます。先ほど「胡蝶蘭の花が終わっても捨てないで」とお伝えした理由は、まさにこの「二度咲き」を目指すためです。 今回、わが家の胡蝶蘭の花が終わったのは夏なので、株を大きくしたいと思います。そこで、暑い夏で体力を使い切った株を元気にしてあげる方法を、黒臼常務に伝授していただきました。
咲き終わった胡蝶蘭を蘇らせよう!
花が終わったわが家の胡蝶蘭。株を大きくするために、「植え替え」をしました。植え替えと聞くと、なんだか難しそうなイメージがありますよね。しかし、胡蝶蘭初心者の私でも簡単にできたので、花が終わって株を大きくしたいという方はぜひ実践してみてください。
陶器鉢から出してあげる
胡蝶蘭は、陶器鉢に入っていることが多いです。わが家の胡蝶蘭は、陶器鉢に3株の胡蝶蘭が入っていました。
このままでは、株の状態は確認できません。そこで、陶器鉢から出し、1株ずつ植え替えをします。
植え替えのために用意したものはこちら。
・プラスチック鉢
・鉢底網
・バーク
・はさみ
・チャッカマンorライター(アルコールでも可)
プラスチック鉢や鉢底網、バークは、ホームセンターで手に入れられます。
胡蝶蘭の芽の根元を切る
胡蝶蘭の花が咲いていた芽の根元をはさみで切ります。このとき、はさみの刃先をチャッカマンやライター、もしくはアルコールで消毒をしましょう。
消毒ができたら、根元をカット!
合わせて、株を傷つけないように気をつけながら支柱を抜いてあげてください。
株の状態を確認しよう
胡蝶蘭の株をポットから出し、株の状態を確認します。
ここで、腐っている根や水苔があった場合は、カットしてあげましょう。腐っている根は、黒くなり、中身がなくスカスカになっています。
プラスチック鉢に植え替えよう
いよいよ植え替えをします。
まず、プラスチック鉢の底に鉢底網を敷きましょう。このあと入れるバークが落ちない程度に敷いてあげてください。
鉢底網が敷けたら、少しバークを入れます。娘にも手伝ってもらいました。
次に、胡蝶蘭の株を鉢に入れ、周りにバークを入れていきます。
たくさんのバークが入りました!これで植え替えは完了です。
2週間は水をあげないで!
その後1週間~10日に1回水やりを植え替えをした3株がこちらです。
胡蝶蘭の植え替えをすると、早く成長してほしくて水をあげたくなってしまいます。
が、ちょっと待ってください!
胡蝶蘭の株は、植え替えによって少なくともストレスがかかっています。そのため、2週間くらいは水をあげないようにしてください。
その後、1週間~10日に1回、花が咲いているときと同じように水をあげましょう。
植え替えをして株を大きくしてあげることで、きっとまた綺麗な花を咲かせてくれるはずです。
よくあるトラブル!葉っぱに元気がないときはどうする?
今回私は、葉っぱが黄色くなり、花が落ちてしまいましたが、ほかにはどんなトラブルがよくあるのか、黒臼常務に伺いました。
すると、胡蝶蘭のトラブルとして多いのが「葉っぱに元気がない」というトラブルだそうです。実際この記事を読んでいる方の中にも、葉っぱに元気がなくて困っている方がいるのではないでしょうか?
そこで、胡蝶蘭の葉っぱに元気がないときの原因と対処法をご紹介します。
原因①水をあげる量が少ない
1つ目の原因は、
「水のあげなさすぎ」
です。
水をあげる量が少なすぎると、葉っぱに元気がなくなってしまいます。胡蝶蘭の葉っぱは、分厚くてしっかりしていて、そこに多くの水分が含まれています。 しかし、胡蝶蘭にあげる水の量が少ないと、葉っぱは自らの水分を花にあげてしまうのです。その結果、葉っぱが萎れて元気がなくなってしまいます。
対処法
葉っぱに元気がなくても、葉っぱが1枚でも残っていれば、胡蝶蘭を蘇らせることができます。そこで、水をあげる量が少なくて葉っぱに元気がなくなってしまったときは、少しずつ水苔を湿らせてあげましょう。
少しずつ水分を戻してあげることで、葉っぱにも元気が戻ってくるでしょう。
原因②水のあげすぎ
実は、胡蝶蘭のトラブルを引き起こす原因として最も多いのが、水のあげすぎなんだそうです。
胡蝶蘭に水をあげすぎてしまうと、根腐れを起こしてしまいます。すると、葉っぱにも元気がなくなってしまうのです。根腐れを起こした根っこは、真っ黒や茶色になっています。葉っぱが残っていれば再生可能ですが、葉っぱが1枚もなくなってしまうと、いよいよ本当に捨てることになってしまうのです。
対処法
根腐れを起こしては、さすがの胡蝶蘭でもダメなのでは?と思う方も多いでしょう。しかし、まだ腐っていない根が残っていれば、そこから胡蝶蘭を元気にしてあげられます。
そのため、根腐れが原因で葉っぱに元気がなくなった胡蝶蘭は、先ほど私もおこなった「植え替え」するのがおすすめです。植え替えをするとき、腐った根や水苔は捨てましょう。 根腐れを起こしてしまっても、まだ元気な根が残っていれば、その生命力を信じて、胡蝶蘭の再生にチャレンジしてみてください。
花が咲き終わってもまだまだ楽しめる胡蝶蘭
花が終わった胡蝶蘭の対処法と、よくあるトラブルについてご紹介しました。花が落ち、葉っぱも落ちた胡蝶蘭は、「枯れてしまった」と思う方が多いのではないでしょうか。私もそのうちの一人でした。しかし、胡蝶蘭の生命力はそんなものではありません。花が終わっても、株をきちんとお世話してあげれば、また綺麗な花を咲かせてくれるのです。胡蝶蘭を育てている方や、花が終わってしまった方、ぜひまた株を大きくしてあげて、一緒に二度咲きを目指しましょう!