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【胡蝶蘭を育てる親たちPart2】胡蝶蘭を1人前にする難易度MAXのプロ技~組み·植え込み·補強編~

2023 10/08
特集・インタビュー
2022年12月1日

黒臼洋蘭園に並ぶ美しい胡蝶蘭たち。胡蝶蘭が台湾から入荷されてから、私たちが目にする胡蝶蘭になるまで、黒臼洋蘭園ではさまざまな工程を経ています。前回の記事では、胡蝶蘭が綺麗な花を咲かせるための「前処理」、そして私たちが美しい胡蝶蘭を楽しめるよう絶妙な角度にする「曲げ」について、それぞれのプロたちにお話を伺いました。しかしそれらの工程は、まだまだ序盤。今回は、「曲げ」のあと、胡蝶蘭が一人前になるまでの工程「組み」「植え込み」「補強」のプロたちに迫っていきます

目次

胡蝶蘭を組み合わせる神経衰弱「組み」

前回の記事で取材させていただいた「曲げ」の工程。力加減、角度など、とても真似できないプロ技を見せていただきました。

しかし、私たちが目にする胡蝶蘭は、こんな形ではないでしょうか?

贈答花として贈られる胡蝶蘭は、曲げの工程で曲げられた胡蝶蘭を3本組み合わせた「3本立ち」や、5本組み合わせた「5本立ち」が多いそうです。

そこで「曲げ」の次の工程、「組み」の出番です。

超重要ポジション!「組み」の役割とは?

「組み」は、その名のとおり、曲げの工程で曲げられた胡蝶蘭を3本や5本組み合わせていく工程です。

しかし、ただ胡蝶蘭を3本、あるいは5本組み合わせるだけでは、私たちが目にする美しい胡蝶蘭の形にはなりません。胡蝶蘭は、人間と同じように1本1本個性があります。そんなバラバラの胡蝶蘭を3本や5本組み合わせても、綺麗な見た目にはならないのです。

そこで、並べたときに綺麗になる胡蝶蘭を組み合わせていくのが「組み」の本来の役割です。

今回、黒臼洋蘭園の組みのプロ、徳田さんにお話を伺いました。

「組みと言ったら徳田さん!」と、黒臼常務が認めるほどの腕前なんだとか。

同じ輪数、高さ、長さの胡蝶蘭を探し出せ!

私:「組みでは、どんなことをされてるんですか?」

徳田さん:「曲げられてきた胡蝶蘭がここにきて、それを私が組み合わせるんですが、みんな同じように見えて、実は全然違うんですね。神経衰弱のように、合うものを見つけていきます。」

私:「合うものというのは、同じ形のものを組み合わせるんですか?」

徳田さん:「輪数、長さが合うものを探していきます。たとえば、7輪咲いている胡蝶蘭と10輪咲いている胡蝶蘭は、全く合いません。同じような咲き加減のものを組み合わせます。本当に神経衰弱なんです。」

徳田さんにお話しいただいたように、組みの工程では、曲げの工程を経て来た大量の胡蝶蘭の中から、同じ輪数、高さ、長さのものを探し出し、3本や5本組み合わせていくのです。

ただでさえ普段子どもにトランプの神経衰弱で連敗している私ですが、そんなの比べ物にならないくらい、難易度MAXじゃないですか…

しかし組みのすごさは、ただ神経衰弱をするだけではありません。

トップは長め、左右はバラバラにならないように

徳田さん:「3本立ちの胡蝶蘭だったら、左右の胡蝶蘭は同じ高さで、トップだけ少し高めに選びます。そうすると、鉢に植えるときに綺麗になるので、それを想定して選ぶんです。」

確かに、私たちがいつも目にする胡蝶蘭は、トップが高い位置にあり、左右は対称に胡蝶蘭が咲いていますよね。

これは、胡蝶蘭を育てるベテランの職人たちが計算して組み合わせているからだったんです。

同じ輪数、同じ高さ、同じ長さのものを選ぶ神経衰弱に加えて、3本立ちや5本立ちで植え込みをしたときに綺麗になるように、左右とトップのバランスを考えて選ぶ。

こんなすごいプロ技で、1日100個ほど組んでいるそうです。考えただけですごいですよね。

私:「徳田さんは組みをやられてどのくらいなんですか?」

徳田さん:「ここに入ってからは14年くらいですけど、組みはまだ10年くらいです。」

私:「10年で『まだ』なんてすごい!」

徳田さん:「胡蝶蘭がうまく組み合わさったときはすごく楽しいので、とても好きです。」

ちなみに徳田さん、ご指名で組み専門になられたそうです。組みのセンスが良すぎて、固定になったんだとか。ただ同じ輪数や同じ高さのものを選ぶだけでなく、どの胡蝶蘭を組み合わせれば美しく見えるか、その美的センスが問われる仕事なんですね。

組みやすさは曲げ次第!曲げと組みの最強タッグで生まれる胡蝶蘭

とんでもないプロ技を見せてくれた徳田さん。そして徳田さんがより早く綺麗に組みを作るためには、その前の工程「曲げ」が大切になります。

曲げが綺麗にできていないと、胡蝶蘭がバラバラになってしまい、組むのに時間がかかってしまうからです。

今回黒臼洋蘭園に伺ったとき、黒臼常務にどの工程が重要か聞いてみました。

私:「どの工程も大切だと思いますが、中でもこれは重要というものはありますか?」

黒臼常務:「曲げと組みですね。」

即答で、曲げと組みでした。

曲げと組みは、のちに胡蝶蘭が商品として仕上がったときの見栄えに直結します。黒臼洋蘭園の美しい胡蝶蘭は、曲げと組みの最強タッグから生まれていたんですね。

いよいよ商品へ!美しい形で鉢に入れる「植え込み」と「補強」

胡蝶蘭生産の重要工程、組みを経て、次に行うのは「植え込み」と「補強」です。

綺麗に曲げられて、さらにバランスよく組まれた胡蝶蘭は、このあとどのように商品へと仕上がっていくのでしょうか?

植え込みと補強をされている天野さんにお話を伺いました。

トップは高めに、左右は対称になるように植え込む

私:「植え込みと補強ではどんなことをされていますか?」

天野さん:「組まれた胡蝶蘭が来たら、鉢に胡蝶蘭が左右対称に入るよう、先に発砲スチロールで形を作って、その間にはめ込んでいきます。3本立ちの場合、左右が同じ高さになるように、真ん中が少し高くなるように植え込みます。」

ここで、先ほどの徳田さんの組みが生きるんですね!組みで、トップが高くなることを想定して組まれていることで、植え込みをする人がより綺麗に植え込めるのです。

これは、ちょうどほかの植え込み職人の方が、発砲スチロールで形を作っているところです。

植え込みながら、左右のバランスを見ていきます。

せっかく組みで相性のいい胡蝶蘭が選ばれたので、それらが綺麗に見えるよう、妥協せずにバランスを整えるのです。

最後の1つを植えてから一気に沈ませるのがポイント

天野さん:「先に左右を沈ませてからトップを沈ませると、トップを沈ませるときに左右もさらに沈んでしまうんですね。なので、トップになる最後の1つを植えてから、ポットが鉢から見えない位置まで一気に沈ませます。」

植え込みでは先に発砲スチロールで形を作ってからはめ込むため、同時に沈ませないとせっかくの左右とトップのバランスが崩れてしまうんですね。これも、職人技です。

3本立ちなら3本、5本立ちなら5本、バランスを見ながら鉢に植える植え込みの作業。拝見していると、鉢に植える作業は想像以上に力仕事なんです。

胡蝶蘭が鉢の中でずれてしまうと、せっかく曲げや組みで揃えた花もバラバラに見えてしまいます。そのため植え込みでは、発砲スチロールを使いながら、簡単にずれないようにしっかり固定していくんです。発砲スチロールの間にはめ込むのはかなり力が必要になります。

そんな重労働の植え込みを、組まれた胡蝶蘭でどんどんこなしていく、天野さんや植え込み職人の方々。植え込みは、曲げや組みの職人たちの努力を開花させていく役割のようにも感じました。

最後の仕上げ!支柱を入れて花が動かないようにする「補強」

さて、最後の仕上げ「補強」に入っていきます。

天野さん:「胡蝶蘭は、長いものだと花の重さで前に傾いてしまうんですね。それを真っすぐにするために、支柱をもう1本入れます。ここで支柱を入れて真っすぐにするために、植え込みの段階では花が少し内側になるように植え込んでいるんです。」

植え込みの作業を拝見したとき、私は全然気が付きませんでした…。最後の補強で胡蝶蘭をベストポジションにするため、胡蝶蘭の傾きを計算して植え込んでいたんです。それを、補強の方たちが支柱を立てて真っすぐにすると、胡蝶蘭の花がちょうど正面を向きます。

まさにチームワークです。

支柱がもう1本追加されているの、わかるでしょうか?

そして補強は、支柱を入れて胡蝶蘭を真っすぐにしてあげるだけではありません。

ただ固定するだけじゃない!間隔、向き、すべてを均等に

天野さん:「支柱を入れて胡蝶蘭を真っすぐにして、左右の幅が均等になるように、形を整えていきます。」

補強では、支柱で固定するだけでなく、左右の間隔、胡蝶蘭の花の向き、すべてを均等にしていきます。

左右の間隔が同じになっていますよね。これも、すぐにできるものではありません。長年の経験で得た技術と感覚なのでしょう。

そして、植え込み·補強の工程を経た胡蝶蘭がこちらです。

こうして、お客様の手元に届く商品としての胡蝶蘭へと成長するのです。

ようやく1人前になった胡蝶蘭。いよいよお客様の手元へ

曲げ→組み→植え込み→補強の4つの工程を経て、ようやく1人前になった胡蝶蘭。私たちは普段、贈答花として贈られることの多い胡蝶蘭しか目にしていません。しかしその胡蝶蘭が並ぶまで、これだけ多くの人の手が加わっていたのです。どの工程が欠けても、綺麗な胡蝶蘭にはなりません。1つ1つの工程を、黒臼洋蘭園の職人たちが真心を込めて行っているからこそ、美しい胡蝶蘭へと成長するのでしょう。そんな職人たちの思いが詰まった胡蝶蘭が、いよいよお客様の元へと届けられます。次の記事では、どのようにお客様の元に届くのか、出荷の現場に密着していきます。

この記事を書いた人
髙橋祐衣

Webライター
コラムやブログを中心に、さまざまなジャンルの記事を執筆。2人の女の子を育てるママライター。

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