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胡蝶蘭はどうしてそこまで高いのか? お値段に隠された「愛情代」~黒臼の達人たち~

2022 8/30
特集・インタビュー
2022年5月31日

結構、いいお値段がする、胡蝶蘭。なぜ、ここまで高いのか? その裏には、途方もない「手間」がかかっていることを、我々は知らない。

胡蝶蘭がプレゼントとして我々の手元に届くまでには、苗の仕入れから始まり、実に多くのスタッフが手をかけ、目をかけているという。今回は、そんな胡蝶蘭を日々育てている達人、陰の仕事人たちを追跡してみた。

「ヤゴ取り・水やり」の達人

事務所の一番手前の温室を訪れると、一人の男性が何やら作業をしていた。

黒臼洋蘭園「ヤゴ取り・水やり」の達人

何をしているのか聞くと、袋から何かを取り出して見せてくれた。

黒臼洋蘭園胡蝶蘭の茎から生えている「脇芽」(わきめ)

これは胡蝶蘭の茎から生えている「脇芽」(わきめ)で、放っておくと、ここに水分・養分を取られてしまい、茎自体が弱ってしまうのだとか。野菜や果物も同じで、不要な芽を間引いておかないと生長の妨げになるのだそう。通称この芽のことを、こちらでは「ヤゴ」というらしい。いわばヤゴ取り達人だ。

またこの方は同時に、胡蝶蘭の水やりのベテラン。

水やり

だが、たっぷり水をやればいいというものでもない。量としてはグラス1杯分だとか。あまりあげすぎると、乾かず根腐れしてしまうという。

この水やりとヤゴ取りは一遍にできないため、それぞれ別仕事になる。この途方もない作業を毎日繰り返しているのだ。

謎の機械

そんな咲き始めの胡蝶蘭が、この後、運ばれるのが、隣の温室なのだが、手前に、謎の機械類を発見!!

温室の中の温度管理をする機会ボイラー

これは温室内の気温を調節する大切なボイラーなのだとか。大切に育てないと美しく咲かない胡蝶蘭だが、生育で特に難しいのが、温室の中の「温度管理」。ある気温まで下がったらボイラーが自動的に作動。お湯が沸き、パイプを通って温室の中が温かくなるという。

黒臼洋蘭園水槽

この水は水道水。温めるために一度、こうした水槽に貯めてある

黒臼洋蘭園キレイに湾曲している「曲線美」「曲げ」

さていつも我々がよく見る、枝が前にしなった胡蝶蘭。

キレイに湾曲している「曲線美」を可能にしているのが、枝と同じように後ろで曲がっている鉄製の支柱だ。

この支柱を枝に沿うようにうまく曲げることを「曲げ」という。

「曲げ」の達人

続いては、そんな曲げ一筋10年以上の達人のもとへ。だが、これまでに茎を折ってしまった胡蝶蘭は「数知れず」だとか!

黒臼洋蘭園「曲げ」の達人

最初は恐る恐るやっていた「曲げ」も、気づけば早くできるようになったという。それでも曲げにくいものと曲げやすいものがあり、未だに「一人前と思ったことはない」という。

黒臼洋蘭園「曲げ」の達人

しかも大事なのは、枝を曲げた時、咲いている花びらが、贈られた人のちょうどいい目線に来ないと意味がないのだとか。人が見て「キレイ」と思えるギリギリの位置にまで茎を曲げ、支柱を固定する。

黒臼洋蘭園「曲げ」の達人の作業画像

これを繰り返すこと1時間で20本、作業時間6時間で約120本!

「組み」の達人

曲げに続いて行われる工程が、「組み」。胡蝶蘭は1株より2株を同じ鉢に植えたほうが、よりゴージャスに見えるのだが、この「2株を同じ鉢に植える」ことを「2本立ち」という。以下、順に「3本立ち」、「5本立ち」と増えていく。

そこで重要になってくるのが「目利き」。1万株あるこの温室の中から、同じ咲き加減、同じ高さ、さらには葉っぱ、花びらのバランスを見極め、2株を(もしくは3株)合わせていくのだ。

黒臼洋蘭園「組み」の達人

曲げに続いて行われる工程が、「組み」。胡蝶蘭は1株より2株を同じ鉢に植えたほうが、よりゴージャスに見えるのだが、この「2株を同じ鉢に植える」ことを「2本立ち」という。以下、順に「3本立ち」、「5本立ち」と増えていく。

そこで重要になってくるのが「目利き」。1万株あるこの温室の中から、同じ咲き加減、同じ高さ、さらには葉っぱ、花びらのバランスを見極め、2株を(もしくは3株)合わせていくのだ。

黒臼洋蘭園「組み」の達人

それはまさに「胡蝶蘭の神経衰弱」。もちろん実際に2株を隣に持ってきて、「いい感じ」かどうか確かめることもあるという。もちろん迷うこともあるのだが、「だんだん慣れてくると、これじゃないかと思うのが出てくる」のだとか。

黒臼洋蘭園「組み」の達人

「神経衰弱中」

ぴったり合ったら「快感」、決まらなかったら「それでも探す」。それはすべて、贈られたお客様のためである。

植え込みの達人

続く工程は「植え込み」。

黒臼洋蘭園「植え込み」の達人

曲げ・組みで選ばれた胡蝶蘭は、いよいよ出荷工程へと入る。きちんとした鉢に植え込み、鉢の底に水はけが良くなるように底材を敷いて、胡蝶蘭が美しく見えるように調整する。

「補強」の達人

だが、例えば植えただけだとグラグラ不安定できっちり決まらないので、配送時に揺れても崩れないように補強するという。

黒臼洋蘭園「補強」の達人

この補強係に配属されて数ヵ月という女性は、早く作業するためには「とにかく数をこなすしかない」と語っていた。

そしてこの後、写真撮影。

黒臼洋蘭園「ラッピング」の達人

ラッピングして、

黒臼洋蘭園胡蝶蘭出荷前の写真撮影

これは、注文した本人に、「こんな胡蝶蘭を相手様に送りますよ」ということを知らせるため。注文したら、直接お届け様にお送りすることが多いためだ。これなら安心である。

黒臼洋蘭園出荷を待つ胡蝶蘭

あとは配送されるのを待つばかりである。

もちろん、配送の際も十分な配慮がなされるという。もちろん、そもそも胡蝶蘭は発芽率が低いデリケートな植物。人工的に発芽させるために、フラスコの中で、栄養分を入れながら培養する。これは台湾で行われ、ある程度大きくなったら、日本にやってくるのだ。

こうして国を超えて長い旅をしてくる胡蝶蘭。胡蝶蘭のお値段は、生育・栽培への、情熱・愛情代なのだ。

この記事を書いた人
bori

放送作家・ライター
1975年、長野県生まれ 大学在学中から放送作家として数々のテレビ番組を手掛ける傍ら、ライターとしても活動。

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